大判例

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札幌高等裁判所 昭和28年(う)172号 判決

刑罰は応報であると云う刑罰の本質から見れば、累犯はより重い道義的非難に値するものと考えられ、また刑罰を以て社会防衛の目的を達するがための手段として、犯人の悪性に対して加えられるものと理解すれば累犯者はその悪性がより大きく、従つてより重い刑が必要と考えられる。刑法第五七条第五八条は、かゝる考えから、累犯に対しては法定刑の長期を倍加するものであつて、その趣旨は、上記のような刑罰の本質目的にかんがみ、各個の犯罪に対し具体的に妥当な刑を量定するがために外ならない。累犯者であるからその基本的人権をかえりみないで、重刑を科するというのではなく、また累犯者を社会的身分として差別し、刑罰の本質目的をはなれて通常人より重く罰すると云うのでもないから、右の刑法の規定は憲法第一三条第一四条に違反するものではない。所論は累犯者処遇の現状を批判するものであつて、立法論としては格別、違憲論としては到底賛同することはできない。

(同じく憲法第三九条違反について)

刑法の累犯加重の規定は同法第五六条所定の再犯者であるという事由に基いて、あらたに犯した罪に対する法定刑を加重し、重い刑罰を科し得るべきことを是認したに過ざないもので、前犯に対する確定判決を動かしたり、或は前犯に対し重ねて刑罰を科する趣旨のものではないから憲法第三九条の規定に反するものではない。従つて右刑法の規定が違憲であることを前提とする論旨は理由がない。

(後略)

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